尊王攘夷と公武合体

1分でわかる

尊王攘夷と公武合体

1858年ごろ〜1863年
開国後の日本を、幕府・朝廷・大名はどう立て直そうとしたのか。「尊王」「攘夷」「公武合体」ということばの意味から見ていきます。
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1分でわかる歴史幕末

尊王攘夷と公武合体 まとめ

1. ひとことで言うと

天皇を尊ぶ「尊王」と、外国を退ける「攘夷」の考えが広まり、朝廷のある京都が政治の舞台になった。
幕府は朝廷と協力する「公武合体」で立て直しを図ったが、各勢力の考えはさまざまだった

天皇の許しのない通商条約の調印や、貿易による物価の上昇をきっかけに、幕府への批判が高まりました。その中で、天皇を尊び、外国の勢力を退けようとする尊王攘夷の考えが、武士や公家のあいだに広がります。幕府は、天皇の妹の和宮を将軍の妻に迎えるなど、朝廷と協力して権威を立て直そうとしました。1860年代の前半、朝廷のある京都には、幕府や諸藩の有力者が集まり、政治の主導権をめぐって激しく動きました。

2. ことばの意味

ことば意味注意したい点
尊王天皇を尊ぶ考えもともとは幕府を倒すという意味ではなかった。将軍も天皇に任じられる立場で、尊王の考えは広く共有されていた
攘夷外国の勢力を退ける考えすぐに武力で打ち払うべきだという人もいれば、条約を改めて外国に屈しない国にすることを重んじる人もいた。外国の軍事的な圧力への危機感から生まれた面がある
公武合体朝廷(公)と幕府(武)が協力して政治を行う考え幕府だけでなく、朝廷や薩摩藩なども進めた。尊王の考えと対立するものではない

3. 公武合体と和宮

桜田門外の変のあと、幕府は朝廷との関係を立て直そうとしました。そのために進めたのが、孝明天皇の妹の和宮を、14代将軍の徳川家茂の妻に迎えることです。1862年に二人の婚礼が行われました。

しかし、この結婚には、幕府が朝廷の権威を利用しようとしているという批判も起こり、かえって尊王攘夷の運動を強める面もありました。

4. 京都が政治の舞台になる

薩摩の動き1862年、薩摩藩の島津久光は兵を率いて京都へ上り、朝廷の意向を背景に江戸へ行って、幕府の人事の改革を求めました。一橋慶喜が将軍の後見役になるなどの改革が行われます。一方で久光は、藩士の中の急進的な動きは厳しく抑えました(寺田屋事件)。
長州と攘夷の約束長州藩は、朝廷の中の急進的な公家と結びつき、京都で大きな力をもつようになります。1863年、将軍の家茂が京都に上り、幕府は朝廷に攘夷を約束して、5月10日を攘夷の期限としました。
京都の治安京都では、幕府を批判する人びとによる襲撃事件も起こりました。幕府は会津藩主の松平容保を京都守護職に任じて治安を守らせ、のちに新選組となる浪士の集団も、その下で見回りにあたりました。

5. それぞれの立場(1863年ごろ)

「尊王攘夷派」と「公武合体派」の二つに、きれいに分かれていたわけではありません。

勢力ねらい
幕府条約による開国を続けながら、朝廷との協力で権威を保とうとした。朝廷の求めに応じて攘夷を約束したが、実行には慎重だった
孝明天皇外国を退けることを強く望んだ。一方で、幕府を倒すことは望まず、幕府と協力する形を支持したとされる
長州攘夷の実行を強く主張し、急進的な公家と結んで朝廷を動かそうとした
薩摩朝廷と幕府の協力と、有力な大名が政治に参加する形をめざした
水戸尊王攘夷の考えを広めた藩の一つだが、藩の中では考え方の対立が激しかった

6. 八月十八日の政変

1863年8月18日、急進的な攘夷の動きが強まることを警戒した薩摩藩と会津藩は、朝廷の中の協力者とともに、長州藩と急進派の公家を京都から追い出しました。三条実美ら7人の公家も長州へ落ちのびます。この政変で、京都の主導権は、朝廷と幕府の協力を重んじる勢力に移りました。1分でわかる薩摩と長州その後の長州と薩摩

7. まちがえやすいところ

  • 「尊王攘夷派」という一つのまとまった勢力があったのではない。目的も行動も、人や藩、時期によってちがった。
  • 尊王は、はじめから倒幕を意味したのではない。幕府も天皇を尊ぶ立場だった。
  • 攘夷は、外国人をただ嫌っていたということではない。外国の圧力から国を守ろうとする危機感があった。
  • 天皇・朝廷が、最初から倒幕を指揮したのではない。孝明天皇は、幕府との協力を支持していたとされる。

8. 1分で深掘り

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関連テーマ:孝明天皇/和宮/徳川家茂/島津久光/寺田屋事件/京都守護職/新選組/三条実美

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