平成の暮らしと社会の変化
平成の暮らしと社会の変化 まとめ
1. ひとことで言うと
家族・仕事・買い物の当たり前が、それぞれ別の方向へ広がっていった
昭和の後半に一般的とされた暮らし方は、平成の間に大きく揺らぎました。共働きが増え、一人で暮らす世帯が増えます。買い物は店に行くものからインターネットで届くものへ広がり、学ぶ場も働く場も多様になりました。同時に、地方では人が減り、都市に人が集まる流れが続きます。豊かになった面と、しんどくなった面が同時に進みました。
2. 家族の形
- 世帯が小さくなった三世代で住む家が減り、親と子だけの世帯や、一人で暮らす世帯が増えた。
- 共働きが多数に夫だけが働く世帯より、夫婦とも働く世帯のほうが多くなった。
- 結婚の位置づけ結婚する年齢が上がり、結婚しない選択も珍しくなくなった。
- 高齢の世帯高齢者だけの世帯、高齢者の一人暮らしが増えた。
- 介護家族だけで担うことが難しくなり、2000年に介護保険制度が始まった。
「標準的な家族」を前提にした制度や商品が、実態と合わなくなっていったのが平成です。
3. 働く女性と、家庭の分担
制度の面では、育児休業に関する法律が1991年に制定され、翌年から施行されました。1999年には男女共同参画社会基本法が制定されています。女性が結婚や出産を機に仕事を辞める割合は、平成の間に下がっていきました。
4. 買い物と消費
| 場面 | 変化 |
|---|---|
| 店の形 | 商店街や百貨店の比重が下がり、郊外の大型店とコンビニエンスストアが増えた |
| 通販 | カタログや電話による通信販売から、インターネットでの注文へ広がった |
| 宅配 | 荷物の量が大きく増え、受け取り方や再配達が課題になった |
| 価格 | 物価が上がらない時期が続き、安さを重視する店が伸びた |
| 食事 | 外食に加えて、調理済みの食品を買って家で食べる形が広がった |
買い物の変化は、働き方の変化と結びついています。共働きや単身の世帯が増えれば、早く・手軽に・少量で買える形が求められるからです。
5. 学ぶこと
大学や短大へ進む人の割合は平成の間に上がり、高等教育を受ける人が多数派に近づきました。一方で、教育にかかる費用の負担が家計の課題として大きくなります。
学校では、授業時間や内容を見直す改訂が行われ、いわゆる「ゆとり教育」と呼ばれる方針が採られました。その後、学力への懸念から見直しが行われています。方針が振れた時期であり、どちらが正しかったかは評価が分かれています。
6. 楽しみ方と、つながり方
- 見る時間が自由に決まった時間の放送を見る形から、好きなときに選んで見る形が加わった。
- 家庭用ゲーム据え置き型と携帯型が広まり、通信によって離れた人と遊べるようになった。
- アニメと漫画国内の娯楽であると同時に、海外へ輸出される文化としても位置づけられるようになった。
- 音楽店で円盤を買う形から、配信で聴く形へ移っていった。
- 連絡電話と手紙から、メールやメッセージへ。相手の都合を気にせず送れるようになった。
詳しくは情報化の記事で扱います。1分でわかるインターネットと情報社会暮らしの機能がどう変わったか
7. 地方と都市、そして外から来る人
若い世代が進学や就職で都市へ移り、地方では人口が減り続けました。学校の統合、路線バスや鉄道の減便、商店や診療所の閉鎖が各地で起こります。1990年代の終わりから2000年代にかけては、市町村の合併が全国で進み、市町村の数は大きく減りました。
一方で、日本で働く外国人と、日本で暮らす外国人が増えていきます。製造業や農業、介護など、担い手が足りない分野を支える存在にもなりました。日本語の支援、子どもの教育、住まいの確保など、受け入れる側の課題も生まれています。
観光では、2000年代から訪日外国人を増やす取り組みが進み、2010年代に大きく伸びました。宿泊施設の不足や、住民の生活への影響といった問題も、同時に議論されるようになります。
8. まちがえやすいところ
- 「昔は三世代同居が普通」ではない。地域や時代によって差があり、全国一律ではなかった。
- 共働きは平成に始まったのではない。自営業や農家では以前から当たり前だった。会社勤めで増えたのが平成である。
- 制度ができただけでは変わらない。法律と実際の分担には差が残った。
- 流行を並べても暮らしの変化はわからない。家族・仕事・消費の形を見る必要がある。
9. 1分で深掘り
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