大正の大衆文化と都市生活

1分でわかる

大正の大衆文化と都市生活

1910年代〜1920年代
映画、雑誌、百貨店、ラジオ。多くの人が同じものを楽しむ文化は、なぜこの時代に広がったのか。そして、それはどこまで広がったのかを見ていきます。
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1分でわかる歴史大正時代

大正の大衆文化と都市生活 まとめ

1. ひとことで言うと

都市で働く人が増え、読み書きができる人も増えた。
そこへ新聞・雑誌・映画・ラジオが広がり、多くの人が同じものを楽しむ文化が生まれた

工場や会社が増えると、都市に人が集まり、決まった給料で働く人(サラリーマン)や、事務員・電話交換手・バスの車掌などとして働く女性(職業婦人)が現れました。学校に通った人が増えて活字を読む層が広がり、百貨店やカフェー、映画館が人を集めます。1925年にはラジオ放送も始まりました。ただし、こうした暮らしは主に大都市のもので、農村や地方の生活は大きく異なっていました。

2. なぜ広がったのか

  1. 産業と都市の成長大戦景気で工場と会社が増え、東京や大阪などの都市に人口が集まった。
  2. 教育の広がり明治末には小学校の就学率がほぼ100パーセントに近づき、活字を読める人が大きく増えた。
  3. 勤め人という層の誕生会社や役所で働く人が、決まった収入と休日をもつようになり、消費や娯楽にお金と時間を使えるようになった。
  4. 安く大量に届ける仕組み輪転機による印刷、鉄道と郊外電車、そして電波。同じ内容を大量に、同時に届けられるようになった。

3. 何が広がったのか

分野ようす
出版新聞や雑誌の発行部数が大きく伸び、総合雑誌や女性誌、子ども向けの雑誌が読まれた。大正末から昭和初めには、1冊1円の全集(円本)や文庫本が登場する
映画活動写真とよばれ、専用の映画館が各地にできた。当時は音のない映画で、弁士が語りをつけた
ラジオ1925年3月22日に東京で放送が始まり、同じ年に大阪・名古屋でも開始。翌1926年にこの3局が合わさって日本放送協会となった
買い物呉服店から発展した百貨店が、商品を並べて自由に見られる売り場をつくり、家族で出かける場所になった
食と街カレーライス、コロッケ、トンカツなどの洋食が広まり、都市にはカフェーが増えた
スポーツ野球が学生を中心に人気を集め、新聞社が大会を主催した。観戦する楽しみが広がる

4. 都市の暮らしの変化

郊外に住み、電車で通う鉄道会社が郊外に住宅地を開発し、都心へ通勤する暮らしが生まれました。洋間を一つもつ文化住宅も建てられます。関東大震災のあと、被災した人が郊外へ移ったことで、この動きはさらに速まりました。
働く女性タイピスト、電話交換手、バスの車掌、百貨店の店員など、都市で働く女性が増えました。ただし賃金は男性より低く、結婚までの仕事と見られることも多く、家の中での立場は明治民法のもとで制限されたままでした。1分でわかる労働運動と女性運動女性の権利を求めた動き
モダンガール・モダンボーイ洋服で街を歩く若い男女は、モガ・モボとよばれました。新しい風俗として注目される一方、批判の目も向けられています。こうした姿は、都市の一部の若者のものでした。

5. どこまで広がったのか

大正の終わりごろも、人口の多くは農村で暮らしていました。電気は広がりつつありましたが、ラジオの受信契約は当初ごく限られており、映画館や百貨店があるのは都市です。洋食や洋服も、日常のものというより特別なものでした。

くらべる点都市(とくに東京・大阪)農村や地方
仕事会社や工場の勤め、決まった給料と休日農作業が中心で、天候と米価に収入が左右された
娯楽映画館、百貨店、カフェー、野球の観戦祭りや寄り合いなど、地域の行事が中心
情報新聞・雑誌・ラジオが早く届いた届くのに時間がかかり、手に入る範囲も限られた

同じ都市の中でも、勤め人と工場労働者、住みこみで働く人では、使えるお金も時間もちがいました。大衆文化が広がったことと、みんなが同じ暮らしをしていたことは別です。

6. まちがえやすいところ

  • 東京の都会生活が、当時の日本人全体の暮らしではない。人口の多くは農村で生活していた。
  • ラジオ放送が始まったのは1925年。大正の終わりごろで、昭和になってからではない。
  • 震災があったから大衆文化が生まれたのではない。都市化も郊外化も震災の前から進んでいた。
  • 職業婦人が増えた=女性の地位が対等になった、ではない。賃金にも家庭内の立場にも大きな差が残った。

7. 1分で深掘り

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関連テーマ:サラリーマン/職業婦人/百貨店/カフェー/活動写真/ラジオ放送/円本/郊外住宅/モガ・モボ

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