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縄文土器と土偶
土器の始まり:約1万5千年以上前
文字のない時代に残された「物」から、暮らしと考え方を読み解く。分かっていることと、まだ分からないことがあります。
1分でわかる歴史旧石器・縄文
縄文土器と土偶 まとめ
1. ひとことで言うと
土器は、食べ物と暮らしを変えた道具。土偶は、祈りに使われたと考えられる人形。
どちらも、文字のない時代を知る手がかり
どちらも、文字のない時代を知る手がかり
縄文時代の人びとは、文字を残していません。それでも、土器の使った跡や、土偶の形や見つかり方から、暮らしや考え方をある程度たどることができます。ただし、土偶が何のためにつくられたかなど、はっきり分かっていないことも多く残っています。
2. 縄文土器:何がそんなに大事なのか
「煮る」ことで、食べられる物が増えた土器で煮ると、そのままではしぶくて食べにくい木の実のアク抜きができ、貝や硬い肉も食べやすくなります。土器の内側に残るおこげやすすから、実際に煮炊きに使われていたことが分かります。
たくわえることにも使えた食べ物などを入れておく入れ物にもなりました。煮炊きと保存ができることは、同じ場所に住み続ける暮らしを支えました。1分でわかる縄文のくらし土器が支えた、定住の暮らし
とても古い青森県の大平山元遺跡の土器は、約1万5千年以上前のものとされ、東アジアでも古い部類の土器のひとつです。
へえ「縄文」という名前は、模様から多くの土器に、縄を転がしてつけた模様があります。1877年に大森貝塚を発掘したアメリカ人のモースが、報告の中で「縄の模様の土器(cord marked pottery)」と書き、これがもとになって「縄文土器」、さらに「縄文時代」という呼び名が定着しました。
3. 形と模様は、時代と地域で大きく変わる
1万年以上のあいだに、土器の形や模様は大きく変わりました。地域ごとの違いもはっきりしています。
土器が「時代のものさし」になる縄文時代は、土器の形の変化をもとに、草創期・早期・前期・中期・後期・晩期の6つに分けられることが多いです。ある地層からどんな形の土器が出るかで、そのおよその時期を考えることができます。文字のない時代では、土器そのものが時計のような役割を果たしているのです。
炎のような飾りの土器も中期の新潟県などで見つかる火焔型土器は、口のまわりに、燃え上がる炎のような大きな飾りがつきます。煮炊きの跡が残るものもあり、実用の道具でありながら、強い飾りを持っていました。なぜここまで飾ったのかは、よく分かっていません。
4. 土偶とは
土偶は、土でつくった人の形の焼き物です。女性を表したと考えられるものが多く、おなかのふくらんだ、妊娠した女性のような姿のものもあります。そして、その多くは、こわれた状態で見つかります。
国宝に指定されている土偶(5点)
| よび名 | 見つかった場所 |
|---|---|
| 縄文のビーナス | 長野県茅野市(棚畑遺跡) |
| 仮面の女神 | 長野県茅野市(中ッ原遺跡) |
| 縄文の女神 | 山形県舟形町(西ノ前遺跡) |
| 合掌土偶 | 青森県八戸市(風張1遺跡) |
| 中空土偶 | 北海道函館市(著保内野遺跡) |
目のまわりがゴーグルのように大きく表された「遮光器土偶」(青森県の亀ヶ岡遺跡など)も、よく知られています。
5. 土偶は、何のためにつくられた?
はっきりした答えは出ていません。いくつかの見方があり、ひとつに決まっているわけではありません。時期や地域によって、役割が違っていた可能性もあります。
- 安産や、子どもの誕生を願った。妊娠した女性のような姿のものがあることから考えられている。
- 自然の恵みや、暮らしの安全を祈った。食べ物の豊かさや、ムラの人びとの無事を願う、まつりの道具だったという見方。
- 病気やけがの「身代わり」にした。こわれた状態で見つかるものが多いことから、わざとこわしたのではないか、という見方もある(自然にこわれたとする見方もある)。
- 精霊や、目に見えない力を表した。人とは少し違う、不思議な顔や形のものがあることから考えられている。
6. 「物」から、どうやって考えるの?
使った跡を見る土器の内側のおこげ、外側のすす。煮炊きに使ったことや、何を煮たのかの手がかりになります。付いた炭化物から、およその年代を調べる方法もあります。
見つかった場所と、状態を見る住まいの近くか、墓か、ごみ捨て場か。こわれていたか、まとめて置かれていたか。同じ物でも、見つかり方で意味の考え方が変わります。
ほかの地域・時代と比べる形や模様を比べることで、どの地域とつながっていたか、いつごろのものかを考えます。
こうした手がかりを積み重ねても、当時の人の「考え」そのものは直接は分かりません。だからこそ、新しい発見で見方が変わることがあります。
7. まちがえやすいところ
- 土偶と埴輪はちがう。土偶は縄文時代の人形。埴輪は、ずっとあとの古墳時代に、古墳のまわりに並べられた焼き物。
- 縄文土器と弥生土器はちがう。弥生土器は、次の弥生時代の土器。一般に、飾りが少なく、うすくて赤みのあるものが多いとされる。
- すべての縄文土器に、縄の模様があるわけではない。時期や地域によって、模様のつけ方はさまざま。
- 土偶の目的は、ひとつに決まっていない。「土偶=○○のため」と覚えず、いくつかの見方があると押さえる。
8. 1分で深掘り
本物の土器や土偶は、各地の博物館や遺跡の展示で見ることができます。写真で見るのと、大きさや質感がかなり違います。
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